平成29年3月22日(水)に ひだまり鍼灸院 はお休みをいただきまして、
坂本フジエさんの助産院に研修に行かせていただきました。
坂本フジエさんは今年93歳
助産歴は、なんと70年。
今は、病院でお産することが一般的になりつつありますが、助産院で産婆さんに取り上げてもらうことがほとんどだった時代からずっと助産師でいらっしゃいます。
取り上げた子供の数は 4000児以上。
坂本さんの助産院では、出産はもちろん
妊婦の時期からお母さんに関わり、産後のケア、子育ての相談・健診までお産にまつわる一連のケアをしていただけます。
今回は、そんな坂本助産院での研修の内容をご報告いたします。
□ お人柄
坂本フジエさんは、著書「大丈夫やで」を読んだ印象の通り、お話は、ポツリポツリとしてくださいます。多くのお子様とママの出産までの過程を見てこられた、豊富な経験に基づいて、安全なお産にとって大切な知識、心持ちを語っってくださいました。
中でも、印象的な言葉は「この仕事は人との繋がり・信頼だからね」というもの。
坂本さんは、「助産師は人との信頼関係で成り立っている」と表現されたのでしょうが、どんな職業でも、どんな場面でも、「最終的には人と人との信頼関係で物事がうまく回っている」と感じ、心にひしひしと染みました。
□ 最近のお産
和歌山助産師協会の規則により、昔ほど助産院が扱うお産が減ったとのこと。
例えば、以下の様な場合は出産は病院に任せることになっているのだとか
・双子・三つ子・逆子
・予定日を過ぎたお産
・中々進まないお産
こういったことと、
・少子化
・若者が和歌山から出て行く(仕事が無い・便利さを好む)
が重なり、最近では月に1・2児 取り上げるのみとなったそう。
とはいうものの、通われているママさんたちは、皆さん坂本さんを信頼されている様子が伝わってきます。ママさんたちは、検診時に1時間程度ゆったりと助産院で過ごされ、ポツリポツリと相談に応えられる、坂本さんの言葉に耳を傾けてらっしゃいました。
□ 他職種との連携
アロマトリートメントや骨盤調整に対しても特に否定的ではなく、いろいろと良いと思われるものがあれば、その都度ママさんに「あそこに行ってはどう?」と紹介することも多々あるのだとか、
鍼灸に対しても、好感を持っていただいている様子。
逆子が戻らない妊婦さんに対しては、近所の鍼灸院を紹介していらっしゃるのだとか。
そんな坂本さんが鍼灸師に求めることは 「逆子治療・小児はり(虫きり)の効果。」とのこと
やはり昔から逆子のお産の経過を見てきた坂本さんにとっても、その辺の技術において、鍼灸師は信頼されてきたのだと思うと感動しました。
□ 妊娠・安産には 体づくりから
逆に聞かれたことは
「お産をすすめる鍼とかある?」
「リウマチに対する鍼とかある?」
といった質問。もちろんそういう症状に対応する鍼治療はあり、エビデンスが出ているのですが、「逆子・虫きり」以外に認知されている症状が少ないことを痛感しました。
しかし、「私たちの鍼灸院では、骨盤腔への血流を良くして、ふわふわな子宮を作ることを目標に鍼治療をしています。」と答えると、
「そしたらお腹も張りにくいね。またいろいろと教えて欲しいわ。」というコメントもいただけ、恐縮で大変ありがたかったです。やはり、自然の力を信じて、お産のケアをしようと思うと目指すところは同じだと感じます。
本当に快く受け入れていただけ、色々と勉強させていただけた研修でした。ありがとうございました。