2018.1.9の産経新聞の記事に、「日本の鍼灸などの伝統医療が、世界保健機関(WHO)で認定される方針」だと記載されました。
具体的には、国際標準基準の「国際疾病分類(ICD)」に「東洋医学」の章が追加されることになるそうです。
ICDとは、という、お医者さんが病名を決めるときに、基準にする病状の項目が記載されている基準です。
例えば、お医者さんがある患者さんの「うつ病」を疑うとき、ICDに記載されいる症状の項目がどの程度当てはまるか?を照らし合せて、合致した時に初めて「うつ病」と診断されます。
認定されれば、ICDに、東洋医学的な病名や患者の体質を示す「証(しょう)」が約300項目記載されるそうです。
どんなメリットがあるのかというと、
今まで、そういった世界基準には、明治以降の西洋医学の病名のみが認められてきましたが、
日本の伝統医学が世界基準に加われば、
・日本の伝統医療の研究が進み
・有効性が検討され
・世界的に評価され、
・地位向上になる
と、有識者の方々は考えてらっしゃるわけですね。
もともと、日本の鍼灸も漢方も、中国が起源ですが、日本の鍼灸・漢方は日本人に合わせて独自に発展し、中国とは、運用も内容も異なっています。そして、中国では手に入らない貴重な文献を保管していたため、「今の中国の東洋医学の基礎づくりの際には、日本から文献を逆輸入していた」という歴史もあるほど、土台のしっかりしたものなのです。
韓国ドラマ「チャングムの誓い」「馬医」「ホ・ジュン」のように、韓国の鍼灸・漢方も、中国から入り、独自の進化を遂げたものです。
中国・韓国・日本とそれぞれに発展してきた鍼灸・漢方の学問ですが、今回、国際基準として選ばれたのは、日本と中国の伝統医療。
日本もかつては明治時代の国策で、伝統医療が途絶えそうになったこともありました。
しかし、「いいものはいい」と地道に、伝統医療を継承し、効果を伝えてきた日本人の努力が報われたニュースだと感じます。
そして、ますます、皆様の健康に役立つ鍼灸治療が、世界的に注目されているということが、鍼灸師として本当に嬉しいです。
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漢方薬や鍼灸など「伝統医療」WHOが認定へ 日本の漢方、地位向上へ – 産経ニュース